素材探求-No.4【生コン】

 

[2006.6.27/ユウセツ生コン工場長/千葉さん]

 


 金木の砂は粗めの良い砂だと思います。当社では、製品の均一化と性能を保つ為に石を砕いた時に出る砕砂、 5ミリ程の石を粗めの砂としても使います。砂だけを100%使うと、どうしても細かすぎるので、3割この砕砂をまぜて使います。細かい砂だけど、生コンにすると乾燥収縮したり、強度的にも問題があります。海砂は粗くていいのですが、塩分が入っていますから使っていません。

 このストックヤードでは同じ砂を二つに分けます。なぜ分けるかというと、運び込んだ時に含んでいる水分(表面水)があるためです。運んできた砂の表面水は一定じゃないので、一つは受入専門にします。受入れた砂が一度に全部くれば良いのですが、2台で折り返したりすると全部砂の表面水が違ってくるのでスランプに直接影響してきます。スランプというのは練った時の硬さです。ある程度時間をおいて交互に使用するのは、水分を落ち着かせてから使うとプラントでスランプが一定になるからです。保管場所に余裕のない他の生コン屋では、すぐ使う所もあります。
 次にこれが5〜20ミリの砕石です。これと砕砂を滝沢の山でとります。石を砕いて5ミリのふるいでふるって、落ちた物が0.15〜5ミリの砕砂です。生コンの量を100にした時、セメント20%、砕石が70%、砂は35%、砂と砕石をまぜた隙間にセメントと水が入るような形になります。ストックヤードからホッパーに必要な分をショベルで入れます。この下にベルトコンベアが走っていますので、必要な骨材をプラントの上にあげる為、各骨材のゲートが自動で4階の貯蔵庫に上がります。これは事務所のオペレーターが操作して材料を上げるシステムになっています。
 ここがミキサー室。この上にあるのが量りです。計量が終わればここが開いて、ミキサーの中に、砕石、砂、セメント、水が入り練ります。ここで40秒間練りまぜて、終わってからしたに大気している生コン車に落として、積み込み完了です。

 皆さんは多分、生コン車で練り混ぜていると思っていると思いますが、基本的には生コン車は練りまぜ機能がないんです。ある程度決められた時間ここで練りまぜてから、生コン車に落とします。生コン車が回しているのは、生コンが分離しない程度に回しているためで、練り混ぜるということではありません。ここで必ず規定の時間練り混ぜして積み込みます。止めて走ると分離するので生コン車は回して走っているんです。

 これはセメントの入っているサイロです。大きいのが250トン、小さいのが100トンです。これには早強セメントが入っています。種類が違います。普通セメントは4週間で強度を判定するのですが、早強セメントは普通セメントの4週間分の強度を1週間でだすので、固まるのが早いです。その他、吹き付けに使うような特殊セメントもあります。
 JIS認定生コン工場では、一日一回工場で出荷頻度の多い生コンを、サンプルで取らなければいけない事になっています。出荷製品からサンプルを取って丸一日置いて、水の温度20度+−2度で管理して4週間、水中にいれて、28日後に圧縮試験をかけて、規定の強度が出ているか検査します。

 

 ここにあるのが圧縮試験機です。一定の早さで圧をかけるのですが、下が競り上がって来て圧力がかかります。さっきのサンプルが圧力に耐える間は針が動くのですが、耐えられなくなった時点で針が戻ります。強度とはサンプルの試験体1ミリ角に何`かかって壊れるかなので、トン数を断面積で割ってもらうと強度が出ます。

 

 工場はほぼ自動化されてはいますが、やはり大事なのは経験ですね。ある程度一定だとオペレーターもスランプを合わせやすいですが、工場に運ばれてきた材料は全てその状態が違います。来たもの順次使っていくと出来上がりが微妙に違うんです。装置に砂や、砂利の表面水設定がついているのですが、あくまでも人が設定するんです。朝来て表面水を量りその他に昼も一回量ります。一晩寝かせている物でも、雨が降ったりしたら、せっかく保管していても余計な水分を含んでしまいます。だからこうやって砂に屋根までかけて養生管理しているんです。
 ただ、与えられた材料をいかに効率良く組んでいけるかは、試験室の技量だと思います。出来上がりの良い悪いは、配合で決まりますので。あと、材料がいかに一定のものが入って来るかは常に目を光らして見ていないといけません。最初の取り決めと違う物が入ってきたりとかもあるので、一日一回はヤードにいって確認します。ですからコンクリート技師で製品が違ってくるという事もありえるんです。試験室の配合の組み方でも、良かったり悪かったりします。「なまのも」ですから。携わる人間が適当にやると、それなりの生コンしか出来ません。コンクリート強度は4週間後じゃないと判定できません。でも建築工事はどんどん進みます。ですから間違ったじゃ済まないんです。
やり直しは出来ません。

 このように製品の均一化には最大限注意をしています。あとは、現場での基礎屋さんの施工で仕上がりが違ってきます。仕上がりの良し悪しの7〜8割りは、現場の方の施工にあるんじゃないかと思います。
コンクリートは型枠に入って固まるとほとんど同じですから、素人にはその良し悪しは判りにくいんです。生コンを打っている時に直接そばでみていれば良くわかると思いますよ。生コン車からおりてくる状態が分離していないか見るんです。比重の違う材料を使っているので、砕石とモルタルが分かれたりなどがあるので、そういうのが分離していなくて、きれいに混ざって均一に流れて来るかを見るんです。

 

 これからは、普通の生コンの他に一つ上の特殊コンクリート、高性能コンクリートを手がけていきたいと思っています。価格の面もあるので、その辺も考えながら安くていい物を開発したいと考えています。
 やればやるほど生コンは置くが深い物なので、今までの経験を活かしてやれば、製品に反映していきます。その辺では生コン屋は面白い仕事だと思っています。

 後記
 コンクリートは奥が深いとコンクリート技師の千葉さんは言う。「同じ材料を使っても出来上がるコンクリートは違う。いくら機械化されていても最後に判断するのは、それを管理する人です。物づくりにこれでいいということはない。さらにいい物を作り続けていきたい。」そんな言葉を聞いた時、そんな努力を目の当たりにした時、家づくりという私たちの仕事が、このような人たちの力で支えられているのだと思った。もっともっと自分達は、いい物を作れるはずだし、作る義務がある。これからも、もっと努力をしないといけない。リーファの家づくりを支えてくれる人たちに、恥ずかしくない、いい家づくりをしなければと、改めて決意しました。